ブログ

出来る?出来ない?利用権が設定された農地の売買

 みなさん、こんにちは。
再建築不可物件コンサルタントの田中です。




 今回は、利用権が設定された農地の売買について。



農地売却 利用権設定


先日ご来店いただいたお客様のご相談内容は、「相続で取得した市街化調整区域の農地を手放したい」というものでした。


その農地は、利用権が設定されており、借りて耕作している方がいました。


 ちなみに利用権設定とは、農地を借りて経営規模を拡大したい意欲ある農業者と、高齢や勤めなどの事情で耕作できない農地所有者との間で、農地貸借等の権利(利用権)を設定し、農地の有効利用と農業の振興を図ることを目的とする事業です。(対象となる農地は原則として市街化区域以外の農地です。)


 利用権は、市が農業委員会の決定を経て農用地利用集積計画を作成し、公告することにより効果が生じ、設定されます。(農地法上の許可は必要ありません。)



 また、このようにして設定された利用権は、期間満了により自動的に貸借関係が終了し、離作料等の問題も発生しないことから、農地が戻らないなどの不安もなく、安心して農地の貸し借りをすることができます。





 そして、気になるのは、利用権設定がされているまま(貸している状態)で農地を売却できるかどうかということ。



みなさんは、この場合、利用権設定がされたままで農地を売却出来ると思いますか?



そのことについて、神奈川県平塚市の農業委員会の方に聞いてみました。



その結果…利用権が設定されている状態では、農地法の許可がおりない、とのこと。



(売却できません)





 売却するためには、まず利用権を解除する必要があります。



なお、利用権の解除は、所有者と借主との話し合いのため、合意すれば、契約期間内に利用権設定の解除をすることも出来ます。



いずれにしても、売却するのには手がかかりますね、農地は…。苦笑