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農地がネックで売れない!?

 みなさん、おはようございます。
再建築不可物件コンサルタントの田中です。

 今回は、農地の売却について。
 私のもとにはたくさんの農地に関するご相談があります。
その中でも多いのが、農家ではない方が「市街化区域以外にある農地を相続してしまい、その農地を売りたい」というもの。
市街化区域では農地の売却は、農業委員会への「届出」で売却可能ですが、市街化区域以外の農地は農業委員会の「許可」を受けなければ売却することができません。

農地の売却 リライト横浜
 今回ご対応させていただいた案件は、福井県越前市の市街化区域以外の農地(市街化調整区域の農地)でした。
 売主様は以前事業をされていたため、ご自宅をご購入時にその隣にあった農地を購入されました。
売主様ご購入時は農地法の5条許可を取得し、その後その農地を資材置場としてご使用されていたのですが、その時に登記の地目を農地から雑種地に変更し忘れていたのです。
 売主様は、今回のご売却に際して会社を清算し、以前資材置場として使用していた農地にあった資材も撤去されてしまいました。
そのため、今回の売却時には農地は登記簿上「農地」となったままで現状は、資材もない地面が剥き出しになっているただの空地でした。

 そして、今回、私の方で何とか買主様をお探しすることに成功したのですが、農地部分が売却のネックとなってしまいました。
それは地面が剥き出しになっている状態で土地の地目を農地から雑種地に変更しようと登記申請した際に、法務局の方より「現状のままでは地面が剥き出しになっているため、農地以外に地目変更登記ができない」旨の回答をいただいてしまいました…。
 その後、売主様、買主様などで協議を重ねた結果、最終的に売主様が以前に使用していた資材を元あった農地部分に戻し、農地法の許可を取得したときの目的「資材置場」として使用することで再度、地目変更登記を申請し、やっとのことで農地以外の地目にすることができました。
最終的に売買契約、お引渡しまで無事に手続きを終えることができました。

 このように農地がネックとなり、売却できず、取引きが一時停滞してしまうことって意外とあるんです。
今回のケースでは、何十年も前に売主様が農地法の許可を取得し、その後資材置場として使用開始された時点で農地から「雑種地」への地目変更登記をしていれば、何の問題も生じませんでした。
農地法の許可を取得したからと言って、自動的に登記地目が変わるわけではないのでその点、しっかりと覚えておきましょう。