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農家ではない方が農地を購入する方法

 みなさん、おはようございます。
再建築不可物件コンサルタントの田中です。

 今回は、農家ではない方が農地を購入する方法について。
 私にはお客様より農地の売却のご相談を多数いただけております。
と、言うのも農地の売買は不動産会社でも取り扱う会社が少ないためです。
 理由は、2つあります。
 1つは、農地の売買は手続きが煩雑であること。
 市街化区域(市街化を促進する地域)の農地であれば、農業員会への届出で売買できますが、それ以外の区域では農地の売買・賃貸、権利の設定や移転、転用(違う用途への変更)を行う際には農業委員会からの許可が必要になり、これがかなり規制が強く、大変なのです。
 もう1つは農地の売買は売買代金が低く、不動産会社が受領できる報酬も低くなってしまうため。
※宅建業法が規定する仲介手数料の上限規定が該当するかどうかは物件次第です

 現在、私の方で静岡県富士宮市の農地の売却活動を行っております。
耕作放棄地 処分 リライト横浜
 それが、こちら。
完全に耕作放棄地となってしまっております…。

 これは相続で遠方の農地を取得された売主様が、維持・管理ができないため、手放したいというよくあるケースのご売却事情でした。
 そして、こちらの物件、農地だからお問い合わせが少ない…と思いきや、意外にもお問い合わせは結構あります。
ただ、農地を購入できるお客様がいません。
 市街化区域以外の農地は、購入するための農業委員会からの許可の取得が得られる買主様は農家の方もしくは、農業法人に限られます。
 ですが、家庭菜園として利用したいとお問い合わせいただくお客様は、残念ながら農家でも、農業法人でもありません…、つまり、購入できるお客様ではないのです。

 そこで昨日、富士宮市の農業委員会にお問い合わせをしてみました。
内容は、「農家でも農業法人でもない方が、農地を購入するためにはどうしたらいいのか?」と。

 方法はいくつかあるようですが、2つ挙げてみます。
 1つ目は、まずは農地を30アール借りていただき、2~3年農業委員会が開催する研修等に参加し、経験を積み、その後に借りた農地を購入したり、他の農地を購入するというもの。(いきなりは購入できません)
 つまりは、農家になってしまうというものですね。
 富士宮市では当初の耕作農地が30アールですが、この面積は市町村によっても異なるので確認が必要です。
 また、2~3年の言ってみれば研修期間についても市町村、農家を目指す方によっても異なるようです。

 もう1つの方法は、農業法人を設立すること。
 ただし、農業法人を設立するためには、一定要件を満たす農家の方(年間150日以上、耕作する等)を一定数役員として従事させないといけないそうです。
 では、例えば静岡県の土地を購入するために農業法人の役員の方が東京都でもいいのかというと若干微妙な回答でした。
 当然ですが、距離も許可要件にはいる、ということですね。

 農地法の許可申請については、予め農業委員会とお客様(行政書士の先生に委任をした場合は、行政書士の先生)にて各種協議が必要です。
 農業委員会では、許可申請書への記入方法や必要書類、手続き方法なども教えていただけます。
 ただし、書類をつくるのはお客様または行政書士の先生となります。

 農家ではない方が農地を購入する方法。
農家になるか、農業法人をつくってしまうか。
どちらも簡単なことではありませんね。