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売れない物件を持ち続けた結果、待ち受けていた恐ろしいこと

 みなさん、こんにちは。
再建築不可物件コンサルタントの田中です。

 今回は、先日お引渡しをさせていただいた案件について。
 売主様は、何十年も前に空家になってしまったご実家を相続で取得。
その際にご兄弟でご共有にて相続されました。
その物件が、こちら。
空家問題 リライト
 門はあるものの、樹木が鬱蒼としており、玄関まで辿り着くことができませんでした…。
 前述の通り、売主様はご兄弟と一緒に相続にて取得されたのですが、売主様は80代のお客様、当然、ご兄弟も80代前後、ご兄弟の中には残念ながら他界されてしまった方もいらっしゃいました。
 そして、そこでも相続が発生し、売却というより処分をする段階の相続人は20名以上となってしまっていました。
登記名義人は、お客様のご両親様のまま、ずっと相続登記をせずに放置されたままでした。
 ただ、四国地方の海の目の前の土地、駅もなく、売るに売れない物件だったため、相続人の方全員が[建物の解体費用だけマイナスしてしまう「負動産」だ]と言って誰も引き受けようとはしませんでした。
 このままでは相続で自分のところに来てしまう、とお考えになられたお客様のお嬢様、そして、娘にこの不動産を渡すわけにはいかない、自分が生きているうちに手放さねば、とお考えになられたお客様がいざ、動き出しました。
 ただ、地元の不動産会社からは「売れない物件」と言われてしまい、頼るところなく、途方に暮れていたそうです。
 そんな中、当社のホームページをご覧いただき、お問い合わせを。
 私の方でもいろいろ迷った部分はありますが、こういったどうしようもない不動産を売却する力を磨くためにも、何よりお客様のお悩みを解決するためにも、お引き受けさせていただきました。

 そして、他社さんで「売れない」と言われた物件を無事に処分ではなく、売却することができました!
 ただ、販売期間は約1年間、当初は売主様の希望金額より販売を開始しておりましたが、なかなかお問い合わせもありませんでした。
 お問い合わせがないだけではなく、インターネットで物件の詳細をクリックされる数自体も微々たるものでした。
 最終的には、岡山県にお住いのお客様にご購入いただくことができましたが、その条件は更地渡しというもの。
 古家を壊すのに200万円弱かかります。
 売却できた金額は、数十万円。
明らかに赤字です。
…が、お客様は決断されました、売却すると。

 売るため、手放すために身銭を切る、おそらくバブルの時とかは考えられなかったことだと思います。
ただ、現実ではこういったことが意外とあります。
 売るために、手放すためにお金を支出する。
 個人的には残念な気持ちもありますが、お客様のご判断は間違っていない、そう確信しています。
これからはもっと売れない物件、売りづらい物件が増えてきます。
いかに早い段階で手放す決断をするかどうか、これが不動産を手放すうえで最も重要なことになります。

 そして、古家があった現地は、お引渡しの際にはご覧の通り。
室戸岬町土地 リライト
きれいに、すっきりと。

 なお、売主様はこちらの土地の他にもう1件、車が入らないどうしようもない土地を同時に取得されましたが、2物件バルク(一括)売却にすることで一緒に手放していただくことができました。

 かなりの難易度の物件でしたが、お引渡しを無事に終えることができ、売主様も、私もひと安心することができました。
 そして、今回の案件の中でもたくさんのご縁をいただき、グルメを楽しみ、経験を積むことができました。
これからもどんどん解決していきます、お客様の不動産トラブルを!