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私が再建築不可の建替えをおすすめしなかった理由

 みなさん、こんばんは。
再建築不可物件コンサルタントの田中です。

 今回は、再建築不可物件について。
 本日、インターネットを見たというお客様よりお問い合わせをいただきました。
 そのお客様は、横浜市保土ヶ谷区にご実家があり、そのご実家が接道していないことが理由で建替えができないというものでした。
 詳細は、お問い合わせいただいた1時間くらい後にお客様が当社にご来店された際にお聞きしました。
未接道物件建替え リライト不動産
お客様のご実家は、階段を20段以上あがった崖の中腹にへばりつくように建築されていました。
入口は車も入らない路地でした。
 そのため、私のほうでお客様のご実家の接道について、少し調べてみましたが、確かにお客様のご実家は建築基準法で認められた道路に接道していないため、未接道による再建築不可物件でした。
さらにご実家に隣接する近隣住民のご自宅も再建築不可物件…。

 お客様に「どうされたいのですか?」とお聞きしたところ、お客様は「建替えしたい」と。
 私の過去の経験から、建替えについてはお金をかければ何とかできそうだなと思いました。
 お金をかけるというのは、まず50~70万円くらいかけて土地家屋調査士の先生に測量図面を作成していただき、その図面をもって行政と協議をするというものです。
 行政との協議の結果、ある程度の方向性が見えたところで建築士の先生に建物の設計図面を作成いただきます。
この2つで通常は、100万円以上かかってしまいます。

 ただお客様のご実家は、階段を20段以上あがった車も入らない土地。
古家の解体も重機(機械)の乗入れができないため、数百万円かかり、新築する建物も手運びとなり割高となってしまいます。
 もろもろお金をかけて、そうですね、3,000万円くらいの資金を投下して、建替えをしたとしても、建替えできた不動産は、車庫もなければ、階段を20段以上あがらなければならない。
 これって、もし、3,000万円かけて新築しても、仮にすぐに売却にだしたら平気で500万円以上瞬時に価値が下がってしまう。
 
 そのため、私がお客様にお話させていただいたことは、まずはご実家を持ち続けるのか、それとも売却されるのかをみなさんで話し合ってください、と。
 そして、ご実家を持ち続けるのであれば、建替えをするのではなく、リフォームをするということも選択肢に入れていただいた方がいい。全て建替えができれば問題解決というわけでもない、とお伝えしました。
 もちろん、リフォームと言ってもいくらでもリフォーム費用をかけていいというものでもない。
リフォーム費用は、そこそこにかけて賃貸するというのがいい。
 理由は、リフォーム費用が高額になればなるほど、投下したリフォーム費用の回収時期が遅くなるだけだから。

 これから、人口減少がどんどん進んでいく中で何でも大金を投下し、新築すればいいというものでもありません。
大金を投下するということはそれだけリスクが発生するということです。

 不動産会社やハウスメーカーは、お客様が建替えをすれば、それだけで利益がでる仕組みになっています。
そのため、建替えが本当に必要かどうかは再三、再四ご家族みなさんで検討してください。

 今までの不動産市況とこれからの不動産市況は間違いなく変わる、間違いなく。
だから、そこには十分ご注意ください。