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仲介事例相続した田舎の家・山・農地をタダでもいいから手放したい!(福島県会津若松市)

ご相談者:E.A 様(インターネットからのお問い合わせ)
東京都中央区

 昨年祖母が他界し、(祖母の夫である祖父の息子の私の父もすでに亡くなっているため)祖母が住んでいた家、その他保有していた不動産を私が相続することになりました。
現在、相続登記手続き中です。(正直全然欲しくなかったのですが)
その他とは、土地、倉庫代わりの小屋、山林、田などなどです。
とてもそうそう買いたいとのニーズがある不動産ではないと思われ、処分は相当難航しそうです。
ぜひお力になっていただけないでしょうか?
地元の不動産会社に依頼するなどしてざっくり査定などしてもらった資料や、誰も場所がわからない山林に関して管轄の農林事務所に依頼し、取り寄せた森林計画図などがあります。
それらをお持ちし一度直接ご相談させていただく機会をいただけないかと思っておりますが、可能でしょうか?

状況

相続した田舎の家・山・農地をタダでもいいから手放したい!(福島県会津若松市) 状況
【所在】福島県会津若松市河東町 全6物件

■物件1(路地奥にある老朽化戸建)
 ・土地面積192㎡、建物面積111㎡
 ・路地状敷地で間口が2mないため、建物の建替え・増改築不可
 ・車が入らない
 ・建物が未登記
 ・建物は築60年以上経過し、老朽化している

■物件2(入口のない山林)
 ・土地面積2,348㎡
 ・市街化調整区域、未接道物件につき、
  建物の新築不可
 ・周辺は農地と山林に囲まれており、
  物件までの進入路がない
 ・固定資産税がかかっていない

■物件3(無償で貸している倉庫)
 ・土地面積239㎡、建物面積99㎡
 ・築15年と比較的新しい鍵付きの倉庫
 ・無償で第三者に貸している
 ・建物が未登記
 ・倉庫内に残置物有り(貸していない部分)

■物件4(倉庫脇の農地)
 ・土地面積364㎡
 ・路地状敷地で隣地が車を駐車時に通行している
 ・誰にも使われていない農地

■物件5(線路脇の農地) 
 ・土地面積769㎡
 ・路地状敷地
 ・誰にも使われていない農地

■物件6(市街化調整区域の農振農用地)
 ・土地面積3,154㎡
 ・管理ができないため、農業委員会を通じて
  第三者に賃貸中
 ・農振農用地のため、農地以外への転用不可
 ・周囲は見渡す限り農地のエリア

※全ての物件境界標が大部分不明
※農新農用地を除き、管理がされていない

解決策

1. お客様との打ち合わせ

 インターネット経由でお客様より「祖母が他界し、田舎の複数の不動産を相続しました。どの不動産も売却が相当難航しそうです…。地元不動産会社にも相談しましたが、全ての売却は難しいようです。リライトさんであれば全て売却していただけそうなため、ご相談させていただきました。不動産を手放せるのであれば、タダでもいいです。お力を貸してください!」とご相談をいただきました。
 後日、お客様にご来店いただき、ご売却のご意向、各物件の特徴などをヒアリングし、全ての売却物件に関する資料をお預かりしました。

2. 現地に赴き、物件調査

 お客様との打ち合わせを終え、現地への調査(出張)の準備をしました。
 まず、当社(横浜)でできる電話やインターネットでの調査を終えた後、いざ売却物件のある福島県会津若松市へ。
 深夜に横浜の自宅を車で出発し、途中休憩をとりながら早朝に会津若松市役所に到着。
車で片道5時間くらいの道のりは決して楽ではありません。苦笑
今回の調査物件は全部で6件、役所などで調査をした後、現地調査。
調査のためになんだかんだで2泊3日かかってしまいました。

3. 路地奥にある老朽化戸建の売却

 築60年以上が経過した老朽化戸建は、一部床が腐っており、雨漏りもしていました。
 前面道路はバス通りなのですが、そこから建物までに通じる路地の幅が2mもなく狭いため、建築基準法の接道義務を満たしておらず、建物の建替え・増改築ができない戸建でした。
それに加え、建物が未登記でした。
 元々、売主様が相続された時には大量の残置物があったそうですが、それは私が鍵をお預かりする前に売主様にて処分されていました。

 こちらの老朽化戸建、使えるようにリフォームするためには700万円以上、建物を取り壊すには300万円以上かかってしまいそうでした。
 売却に際しては、情報を広く公開せずに、当社にご登録いただいているお客様のうち、ご自身でリフォームをされ、賃貸されるお客様に水面下でご紹介。
するとそちらの方より「購入したい」旨のご連絡をいただき、契約に向けて進めていきました。
土地は所有権移転登記をし、建物は未登記だったため、市役所の固定資産税課に未登記建物の名義変更届を提出。
無事に築60年超の老朽化した再建築不可物件の売却に成功しました!

4. 入口のない山林の売却

 売却物件の山林は、第三者が所有する農地と山林に囲まれて入口がありませんでした。
それに加え、市街化調整区域のため、建物の新築もできませんでした。
※建築基準法で定める接道義務を満たしていませんでした
もちろん、どこからどこまで境界かもわかりません…。
ただ、森林組合で取得した図面でなんとなく大まかな場所はわかりました。

 唯一の救いは、固定資産税がかかっていないこと。
 普通に手放そうとしても手放せないこの山林。
過去に当社で固定資産税がかからない土地を複数ご購入いただいたユーザー様にお声がけして「こちらの土地も引き取ってもらえないか」とお願いしました。
するとユーザー様より市街化調整区域の入口のない山林もコレクションの1つとしてお引き受けいただける旨、ご連絡をいただき、後日、無事に売買契約の締結をしました。(売却できました)

5. 無償で貸している倉庫の売却

 売却物件の倉庫は、建築関係の方が無償で借りていました。
以前は、売主様の祖母の方が賃料を受け取り、貸されていたそうですが、売主様が相続されてから賃料は受け取られていなかったそうです。
その倉庫は、築16年と比較的新しくまだまだ使用できる状態でした。
1階を建築関係の方に貸しており、2階には以前借りていた方が置いていった荷物がそのまま残されていました。

 この倉庫については、現地調査時に借りていただいている建築関係の方と現地でお会いし、打ち合わせをしました。
そして、その方にご購入のご意向がないかを確認。
すると「条件次第では買ってもいい」旨のお話をいただくことができ、それから金額含め条件の調整に入りました。
 最終的には境界非明示売買、契約不適合責任免責、残置物はそのままでの引渡しとし、その代わり未登記の建物の登記をするという条件のもと、売買契約を締結しました。
事前に売主様、買主様、土地家屋調査士・司法書士の先生とみんなで連携をとり、無事に建物の表示登記・保存登記を行い、所有権移転手続きも終えました。

6. 倉庫脇の農地の売却

 先に売却した倉庫脇にも売却物件の農地がありました。
その農地は誰が使うということもなく、管理もされていませんでした。
ただ、その一部が隣地住民が車の出し入れの際に通行していました。
もし、この売却物件の農地を第三者に売却してしまうと隣地住民が自己所有地への車の駐車が困難になってしまいます。
それに加え、農地ということもあり、農業委員会への届出が必要なため、誰でも購入できる農地ではありませんでした。

 この農地については、私が現地調査の際に隣地住民を訪問し、事情を説明。
「この農地は第三者に買われてしまうと車庫入れしづらなくなってしまう。それであれば無理のない金額でご購入いただいた方がいい」旨お話しさせていただきました。
すると隣地住民の方が家族会議を開催。
最終的に当初の計画通り、隣地住民の方にご購入いただく方向で調整がとれました。
 ただ、ポイントは農地ということ、地元の行政書士の先生の力を借りて、農地法の届出理由を考えました。
農地は売買などの際に理由がないと届出が受理されず、農地法の許可書または届出書がないと所有権移転登記ができません。(売買が正式に成立しません)
なお、今回の農地法の届出理由は、東北地方特有の「雪下ろし用の土地」でした。
※屋根に積もった雪を置いておくための土地
売買契約締結前に農地法の届出をし、受理されたところで売買契約とお引渡しを同時(一括決済)に行いました。

7. 線路脇の農地の売却

 線路脇にある農地は、誰にも管理されておらず、雑草が伸び放題でした。
隣に線路があり、騒音がするうえに電車が通過すると揺れてしまう土地でした。
 現地調査時に隣地住民を訪問し、「隣の土地を買っていただけないか」とお願いに回りました。
結果は惨敗…。
ただそこは諦めず、地元の不動産会社にもご紹介。
それでも購入していただける不動産会社はいませんでした…。
それでも諦めきれず、以前別の案件でお取引きがあった地元不動産会社を訪問して、ご紹介をしました。
するとその不動産会社の方で何とかしてお引き受けいただける方向となり、契約に向けて進めさせていただきました。
契約条件は、境界標の明示・確定測量図の交付でした。
 そのため、売買契約を締結し、すぐに地元の土地家屋調査士の先生にお願いし、測量開始。
途中ちょっとした協議事項も発生しましたが、無事に測量完了。
その後、売却物件が農地だったため、買主様により農地法の届出の申請、後日それが受理されました。
そして、残代金の授受・所有権移転登記を行い、売却が完了しました。

8. 市街化調整区域の農振農用地の売却

 市街化調整区域の農振農用地は、売主様の祖母の代から農業委員会を通じて農家の方に貸されていた農地でした。
 農振農用地のため、農地以外に使用することはできず、購入できるのも農家の方か農業法人に限定されていました。

 現地調査の際、借りていただいている農家の方のご自宅を訪問しましたが、お子様がご在宅されているのみで借主様である農家の方とお会いすることはできませんでした。
 ただ、今回の案件で何回か会津若松市に行った私はその度ごとにその農家の方のご自宅を訪問していました。
すると農家の方がご在宅されているタイミングに伺うことができ、いろいろとお話をさせていただきました。
その際、私は「売主様は農地をこのまま所有し続けることができない。大切に使っていただいているT様(借主様)にそのまま使っていただきたい、タダでもいいと売主様が仰っている。どうにかお引き受けいただけないか」旨、農家の方にお伝えしました。
 すると数日ご検討いただいた後にT様より「農地を当方にてお引き受けします」というご連絡をいただくことができたのです。
そこでT様が主体となり、農業委員会に農地法第3条の許可(農地を農地として売買する際の許可)申請をし、後日、無事に農地法の許可書が交付されました。
最終的に売主様、売主様のお母様と私がご一緒に買主様である農家のT様のご自宅に集まり、売買契約の締結、売買代金の授受、所有権移転のためのお手続きを終えることができました。

そして、売りづらい全6物件の不動産を全て売却することに成功したのです!

担当者からの一言

 今回の案件のポイントは「不動産会社によって異なる結末」でした。

 今回は、田舎の再建築不可物件、山林、未登記の倉庫、市街化農地、線路脇の農地、農振農用地という難あり物件のオンパレードでした。
 それでも地道にコツコツと売却活動を進めていった結果、無事に全て売却することができました。
 当初「タダでもいいから手放したい」と仰られていた売主様。
 当社にご依頼いただいた結果が全6物件を総額「3,170,001円」もの金額で売却することができました!
 売主様がもし、当社以外の不動産会社に売却依頼をされていたとしたら、全てが売却できたかわからないうえに、ここまでの金額で売却することができなかったに違いありません。
 とは言え、何回行ったかわからないほど会津若松市に行き、相場のないところに相場をつくることに成功したのは私、今まで以上に自分の仕事(モノを売る力)に自信がつきました。
それにしても、難あり物件の売却はどれも楽ではありませんね。苦笑

関係者のみなさま、本当にありがとうございました!

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