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仲介事例役所も寄付を受け付けてくれない崖の上にある老朽化アパートを手放したい!(静岡県熱海市)

ご相談者:J.K 様(インターネットからのお問い合わせ)
神奈川県藤沢市

 8年前に母が亡くなり相続で熱海にある老朽化アパートを取得しました。
 そのアパートは崖の上にあるため、建物を解体しようにも400万円以上の費用がかかってしまいます。
 相続した当初は、賃貸していたのですが、年々雨漏りによる補修費用がかさみ、最終的には入居者が退去された後は、新規募集はせずに空き家にしていました。
このまま所有していても年々建物は傷んでいってしまいますし、将来子どもたちにも残すことができません。
熱海市役所に寄付を申し出ても断られ、NPO法人や地元不動産会社にタダでもいいから手放したいと言っても、「売れない」と言われ、途方に暮れていました。
そんな中、御社のホームページを拝見し、御社であればなんとかしていただけるのはという一心でお問い合わせさせていただきました。
お願いします、処分のお手伝いをしてください!

状況

役所も寄付を受け付けてくれない崖の上にある老朽化アパートを手放したい!(静岡県熱海市) 状況
【所在】静岡県熱海市桜木町
・駅からバス便の高台にあるアパート
 ※道路から4m以上高くなっている
・接道に問題があり、原則建物の建替えができない
・建物に行くまでに第三者所有の路地部分を
 通行しなけれならない
・建物は築50年と老朽化しており、
 雨漏り、床の腐食有り
 ※現状のままでは使用不可
・大部分の境界標が不明
・建物の上に隣地所有の樹木が覆い被さっている
・裏側が崖地になっている
・市役所から寄付が受けられないと言われた
・NPO法人、不動産会社から売れないと言われた
・2階からは海が見える

解決策

1. お客様との打ち合わせ

 今回のお客様は、インターネットからのご売却のご相談でした。
 そして、後日、当社にご来店いただき面談の実施。
その時お客様から「8年前に相続した熱海にある老朽化アパートを手放したい。以前は賃貸していたのですが、建物の老朽化しており雨漏りが酷く、その補修費用が家賃より高くついてしまっていました。そのため、空き家になるたびに新規に募集はせずにそのままにしておいた結果、全6部屋が空き家となりました。市役所に寄付を希望しても断られ、空き家相談にも行き、NPO法人や複数の地元不動産会社にも相談しましたが全てのところから売れないと言われてしまいました。とにかくこの問題のある不動産を子どもたちに引き継がせたくありません。助けてください!」というお話をいただきました。
そのため、後日、現地を確認させていただくことにしました。

2. 市役所などでの物件調査

 お客様との面談後、まずは市役所などで物件調査。
 すると物件の問題点が次から次へと判明。
 まず、売却物件の道路側の擁壁と北側隣地にある擁壁(いずれも高さ4m超)が行政の許可を取得していない擁壁だったのです。(建築基準法上の位置指定道路の幅員不足が原因)
それに加え、前面道路が4mあるはずの道路が一部3.7mくらいしかないため、建物の増改築ができませんでした。
さらに道路から建物に上がるための階段が第三者所有地でその部分の権利関係が複雑でした。
また、崖地ということもあり、土砂災害警戒区域にも指定されていました。

3. お客様と一緒に現地確認

 朝からの調査はお昼前に終了。
午後からは、お客様の待つ現地に向かいました。
現地は、熱海駅からバス便の高台に位置しており、さらに建物に入るまでには4mくらいの高さを階段で登らなければいけませんでした。(車庫も駐輪場もない物件でした)
お客様に建物の鍵を開けていただき、室内を確認。
室内は長年空き家となっていたため、一面にカビが生えており、雨漏りや床の腐食などが多数見受けられました。
一部の部屋においては、床の腐食が酷く、歩くこともできませんでした。
トイレも和式便所で浴室・キッチンも使いものにならないくらい傷んでいました。
確かにこれでは賃貸に出せません。
 また、建物の一部に未登記部分があり、上を見上げると軒先が剥がれ落ち、屋根には隣地の大きな樹木が覆い被さっており、境界標も見当たりませんでした。
そして、敷地周辺の長さを計測し、販売用の写真を撮影しました。
 現地を確認した印象は、現地に重機が入らないため、建物の解体には400~500万円(それ以上の可能性あり)、リフォームするためには1,500万円以上かかることが容易に想像できました。
ただ南向きで明るく、海が見えるという点は、売却物件のストロングポイントでした。
 現地確認中、お客様は終始不安な様子を浮かべていました。
これは後から聞いたお話ですが、当社からも「売れない」と断られてしまうのではないか不安だったからだそうです。
もちろん、当社の答えは、「この不動産を必ず売却します!」というものでした。

4. メディアに協力してもらい売却活動

 前述の通り、今回の売却物件は何をしようにも多額の費用がかかってしまう物件でした。
ただ、日当たりが良く、海が見えれば何とか売却できると私は確信していたのです。
売れない理由を探すのではなく、売るための方法を考えました。
売主様にもその旨、お伝えを売却活動のための準備を開始しました。
 今回の案件については、売却物件が条件的に厳しく、低廉な価格となることが想定されたため、交通費は売主様にご負担いただくかたちでお願いしました。
というのも、当社のある横浜から売却物件の熱海まではどうしても交通費がかかってしまうからです。
そのため、成約になる可能性の少ないお客様のために都度、現地に行くと売主様にご負担いただく交通費がかさんでいってしまううえに当社の他の業務にも支障がでてきてしまいます。
 そこで考えたのが内覧会方式の売却です。
売却条件は、現況有姿。
 まずは、売却物件の物件概要書を作成。
そこには、売却物件のネガティブポイントも全て正直に記載しました。
もちろん、ストロングポイントも強調して。
さらにその物件概要書には、1ヶ月先の日を内覧会日として設定し、内見希望の方はそのタイミングで現地に来ていただくよう記載したのです。
1ヶ月先にしたのは、誰でも比較的スケジュールが組みやすいためです。
なお、今回の売却物件に関してはネガティブポイントが多数あったことからも内覧会に参加された方の中で買主を決定することにしました。
というのも、見ないで欲しいという方にお譲りしてしまうと後々トラブルとなってしまう可能性が高いうえに、現地を見ずに購入するというのは買いたいという意思が見られないからです。
 そして、各種不動産検索サイトに登録、SNSで多方面に情報を発信していきました。
さらに幸いないことにテレビ局とのつながりもあったため、私の方からテレビ局の方に「内覧会をするからテレビで放送してほしい」旨、企画を持ち込んだのです。
これにより、メディアを駆使して全国の方に向けて情報を発信できました。

5. 内覧会の実施

 各種方面に情報を発信後、内覧会の準備にかかりました。
事前に内覧会でお客様にお渡しする書類を作成し、内覧会の前日にはお電話で翌日の内覧会の確認を実施。
 そして、迎えた内覧会当日。
内覧会は、午前中10時から午後4時まででした。
テレビ局の方も取材にお越しになり、11組ものお客様にご来場いただきました。
中には現地確認時点で「ここまでの物件は手に負えない」と断念されるお客様もいらっしゃいました。
購入申込書の期限は、お客様の検討期間も考慮し、1週間後としました。
※1週間後に期限を設定した理由は、焦って決めさせられたと言われないためにです

6. 内覧会の結果…

 内覧会開催から1週間後、ご来場いただいたお客様より複数の購入申込書をいただくことができました。
NPO法人、複数の地元不動産会社から「売れない」と言われた売却物件ですが、当社が内覧会を実施した結果、6組のお客様より購入申込書をいただくことが出来たのです。
 購入申込書には、売主様へのひと言、物件についてのひと言記載できるスペースを設けていました。
そのため、お申込み書にはそれぞれ思いのままに売主様へ、物件についてのひと言が記載されており、そのほとんどが「大切に使っていきたい」、「熱海が好きです」というものばかりでした。
全ての購入申込書を取りまとめ、売主様にご確認いただきました。
そして、売主様にじっくり1週ご検討いただいた結果、買主様が決定したのです。
お客様からは「買主はおたく(リライト)が決めるのか?_」とお問い合わせいただいたこともありましたが、そうではなく、所有者である売主様に買主を決定していただいたのです。
それが本来の姿なので。(当社は売主ではないからです)

7. 売買契約の締結とお引渡し

 買主様が決定してから、私の方で契約書類の作成にかかりました。
 書類ができた段階で売主様、買主様にご確認いただきました。
そして、後日、当社にて売買契約の締結、売買代金の授受、鍵と所有権の引渡し手続きを完了したのです。
全てのお手続きを終えてからの売主様は、「お子様にこの難あり物件を残さなくて済む」ということからも最高の笑顔をされていました。
一方、買主様は多額の費用をかけて、老朽化アパートを再生されるそうです。
何年後かに通りかかった際に、素敵なアパートに生まれ変わっているのが今から楽しみです。

担当者からの一言

 今回の案件のポイントは「コストを抑える売却方法」でした。
 
 当社では日々、売れないとお困りの地方の不動産の売却活動を行っています。
地方の不動産は需要と供給の関係で低廉な価格になってしまうことが多々あります。(全てではありません)
その際に報酬が受領できないくらいの金額になり、実際にボランティアとなってしまうことも多いのです。
そういったことが当初より想定できる場合は、売主様に交通費をご負担いただくケースもあります。
そして、遠方だとこの交通費が多額になってしまうこともあるのです。
多額の交通費を売主様にご負担いただきなから、成約になるかならないかわからないお客様のために何度も交通費をかけて現地に行くということは売主様にとっても、当社にとっても得策ではありません。
 当社では地方の物件の場合は、今回のように内覧会を実施して、短期決戦に望み、そこで買主を探していきます。
そうすることで売主様の交通費の負担を軽減し、効率的に売却活動を行っていくのです。
また内覧会を開催することで来場者同士が「他の来場者にはとられなくない」という心理も働くため、そういったことも含めて内覧会は効果的なのです。
そして、今回も無事に「売れない物件」の売却ができました。

関係者のみなさま、本当にありがとうございました!

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