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仲介事例横須賀の使わなくなった借地権を地主さんに返地したい!(神奈川県横須賀市)

ご相談者:S.I 様(ユーザー様からのご紹介)
新潟県新潟市秋葉区

 何十年も住んできた横須賀市の自宅は車も入らず、階段を50段以上あがった崖の上にある借地権付建物です。
 そのため、住まなくても地主さんに地代をお支払いしなければなりません。
 私の年齢からもここで生活することが難しく、娘の住んでいるところに同居することになりました。
 売却しようにも売却できず、借地権を返地しようと地主さんにお話をしましたが、断られてしまいました。
 この難あり不動産を娘には相続させたくありません。
御社のほうで何とかお手伝い頂けないでしょうか。

状況

横須賀の使わなくなった借地権を地主さんに返地したい!(神奈川県横須賀市) 状況
【所在】神奈川県横須賀市西逸見町1丁目
・駅徒歩圏
・階段50段あがった崖の上にある土地
・車が入らない
・もともと借地契約書がなく、契約期間が不明
・建物が老朽化(傾斜有り)
・樹木が生い茂っている
・お客様と地主さんの間でトラブルになりそうな気配有り

解決策

1. お客様とのご連絡

 ユーザー様よりお客様のご連絡先をお聞きして、お電話させていただきました。
 本来であればお会いしてお打ち合わせをしますが、お客様はすでに新潟県にお引越し済みだったため、お客様とお電話にてお打ち合わせしました。
 その際にお客様からは「地主さんに借地権の返地についてお話をしたところ、更地にしてもらっても、地代はしっかりといただきます」と言われてしまったそうで、お客様ご自身、新潟の弁護士の先生と借地権の返地について打ち合わせをされていた状態でした。
 お客様の目的は、借地権付建物を手放せればいい、というものでした。
 ただ、物件の特性(地代の金額等)からも売却はあまりに難しい状態でした。
 また、返地した場合、借地人は残存期間は地代を払い続ける必要があります。
 今回は、もともと借地契約書がないため、残存期間の特定が難しく、万が一、揉めてしまった場合にはお客様が地代を支払い続ける、というリスクもありました。

2. 現地調査の実施

 お客様との打ち合わせを終え、現地を確認しました。
 幸いにもお隣にユーザー様がお住まいだったため、予め物件の特徴は概ね把握できていました。
 それでも現地に行ったときには、樹木が生い茂っており、玄関に入るまでも大変な状態でした。
 また、室内には大量の残置物があり、建物自体は崖に向かって傾いており、全体的にかなり老朽化している状況でした。

3. 土地所有者(地主さん)との協議

 お客様からのご意向のヒアリングと現地調査を終え、土地所有者とお会いして、打ち合わせをしました。
 以前より土地所有者の方とは面識があったため、土地所有者の方との協議は和やかなムードで進めていくことができました。
 複数回打ち合わせをした結果、土地所有者の方からは「更地にして返地してくれてもいい。もしくは、借地権付建物の状態次第では買い戻してもいい。」というお話までいただくことができました。

4. 土地所有者の方との現地確認

 後日、土地所有者の方に建物の室内含め、現地をご確認いただきました。
 その結果、土地所有者の方は「やはり建物の傾きや老朽化がひどく、リフォームして使用することは困難である」との見解により、「古家を解体し、更地にしてくれるのであれば、返地を認めます」旨のお話をいただきました。

5. 解体費用等の見積もりの取得と返地のための合意書の作成

 土地所有者の方より「更地で返地すること」の了承をいただいた後、そのための費用がいくらかかるかの見積もりを取得しました。
 建物の解体費用、残置物の撤去費用、建物滅失登記の費用等でした。
 車が入らず、階段50段以上のところにある建物の解体費用はかなりの金額でした。
 また、古家解体後に土地所有者の方より返地を拒否された場合のリスクも考え、予めお客様と土地所有者の方との間での合意書も作成しました。
 この時、私のほうで合意書を作成し、当社 顧問弁護士の先生に内容を確認いただきました。

6. 税金面の確認

 借地権というものは、とても財産性が強い「資産」となるため、単純に返地した際に借地権の贈与とみなされてしまう場合があります。
 そのため、管轄税務署及び当社 顧問税理士と協議をし、今回、借地権の贈与とならずに「返地」となるように各種配慮をしました。
 そして、その内容を土地所有者の方、お客様にそれぞれ税務署に連絡をとっていただき、確認していただいたのです。

7. 借地権返地に関する合意書の締結と古家の解体

 税務面の確認を終えたところで、土地所有者の方とお客様との間で「借地権返地に関する合意書」の締結を行いました。
 そして、お客様のほうで古家の解体工事を行っていただきました。

8. 建物の滅失登記と借地権の返地

 古家の解体工事も終わり、最後に古家が解体された旨の登記(滅失登記)を行い、土地所有者の方に土地を引渡し、借地権の返地が完了しました。

担当者からの一言

 今回の案件のポイントは、「借地権トラブル」でした。
 もともとお客様は土地を借地する際に契約書もなく、借地契約がスタートされました。
 ただ、いざ今回のように返地をしようとしたときに借地契約の期間がわからなかったために土地所有者の方とトラブルに発展してしまう可能性がありました。
 さらに、土地所有者の方と利害が反する借地人さんが協議を重ねた結果、借地人さんが弁護士に相談されるという事態となっていました。
 当初より土地所有者の方と借地人さんは揉めるつもりは一切ありませんでした。
 ただ、少しのボタンの掛け違いでトラブルとなってしまい、後々取り返しがつかないことになってしまう場合があります。
 
 借地権の返地には贈与税等の税金についても注意が必要です。

 今回は、早い段階で当社にご相談いただけたため、弁護士、税理士、土地家屋調査士の先生方のお力添えをいただき、無事にお客様の望み通り、借地権の返地を完了することができました。

 関係者のみなさま、本当にありがとうございました。

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