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買取り事例【横浜市金沢区富岡西】市街化区域なのに建築不可|車も入れず地下を京急線が走る農地・山林を買取り、畑として再生

ご相談者:K.O 様・M.O 様(ホームページからのお問い合わせ)
横浜市金沢区・東京都葛飾区

今回ご相談いただいたのは、横浜市金沢区富岡西2丁目に農地と山林を所有されていたご兄弟でした。

もともとはお父様が趣味で畑として利用されていた土地でしたが、その後は使われなくなり、農地部分は草木が繁茂した耕作放棄地のような状態になっていました。

当初のお問い合わせでは、売却だけでなく、市民農園として貸すことや自治体への寄付なども検討されていましたが、根底にあったのは、

「この土地を、このまま次の世代へ残したくない」

というお気持ちでした。

当初のご相談資料にも、「現在は未活用となっているため、相続前に処分したい」というご意向が記載されていました。 

相続税評価額だけを見ると、それなりの価値があるように見える土地です。

しかも場所は横浜市内。

市街化区域です。

普通に考えれば、

「横浜市内なら売れるのでは?」

と思うかもしれません。

ところが、実際にはそんなに簡単な土地ではありませんでした。

役所調査や現地調査を進めるにつれ、次々と問題が出てきたのです。

最終的には売主様から、

「何とかリライトさんで引き受けてもらえないでしょうか」

とご相談いただき、当社で買取りをすることになりました。

状況

【横浜市金沢区富岡西】市街化区域なのに建築不可|車も入れず地下を京急線が走る農地・山林を買取り、畑として再生 状況

この土地は、いわゆる一般的な住宅用地とは大きく異なっていました。

まず現地へ行ってみると、車で土地まで入ることができません。

道路から階段や細い通路を通って入っていく土地で、駐車場として利用することもできませんでした。

さらに農地部分は長年利用されておらず、草木が生い茂った状態。

山林部分には大きな木が何本もありました。

境界についても明確とは言い難い状況でした。

そして隣には、昔ながらの墓地があります。

しかし、最大の問題は別にありました。

市街化区域なのに建物が建てられない

所在地は横浜市金沢区。

市街化区域内で、用途地域も第一種低層住居専用地域です。

ところが、役所で建築の可能性を調査すると、建築基準法上必要となる接道条件を満たしていませんでした。

何とか建築できる方法がないか行政とも協議しましたが、もともと建物が建っていた土地ではなかったことなどもあり、最終的には、

「建物を建築することができない土地」

という結論になりました。

販売時の資料にも、建築基準法上の接道義務を満たしていないため建築不可であること、車両の乗り入れができないこと、水道・電気・ガスなどの引込みがないことを明記していました。 

つまり、

市街化区域なのに再建築不可どころか、そもそも建物を新築できない土地

だったのです。

さらに、土地の地下を京急線が走っていた

そして、この土地にはもう一つ非常に珍しい事情がありました。

なんと、

土地の地下を京浜急行線の電車が走っていたのです。

販売資料にも、鉄道敷設のための区分地上権が設定され、「地下を電車が通過しています」と記載しています。 

整理すると、

  • 建築不可
  • 車両進入不可
  • 農地
  • 耕作放棄地
  • 山林
  • 大木あり
  • 境界が不明確
  • 水道等の設備なし
  • 隣が墓地
  • 地下を京浜急行線が通過

という状態です。

一般の不動産会社からすると、住宅用地として販売することは困難です。

金融機関の住宅ローンを利用して家を建てるという一般的な買主層もターゲットにはできません。

だからこそ、

「誰に、何のために買ってもらうのか」

を最初から考える必要がありました。

解決策

まずは農地法の手続きから

売主様から、

「リライトさんで何とか引き受けてもらいたい」

とお願いされたからといって、すぐに買えるわけではありません。

土地の一部は農地でした。

そのため、まず農業委員会へ農地法第5条の転用届出を提出。

届出が受理されたことを確認したうえで、当社が土地を購入しました。

売主様にとっては「早く処分したい土地」でしたが、買い取る側としては、そこからがスタートです。

測量して、土地を整理する

購入後、土地家屋調査士の先生に依頼し、測量を実施しました。

境界を整理し、土地の状態を確認。

その後、農地部分については実際に資材置場として利用できる状態へ転用し、登記上の地目も「雑種地」へ変更しました。

農地のまま放置するのではなく、利用実態を変えたうえで土地の状態を整理したのです。

地目変更後の登記内容も確認できます。 

「地下に京急線があるなら、京急に買ってもらえないか?」

次に私が考えたのが、土地の地下を走っている京浜急行線でした。

普通なら、

「地下に電車が走っているなんて、さらに売りづらい」

と考えるかもしれません。

私は逆に、

「地下に京急線が走っているなら、京急側にこの土地の権利を取得するニーズがあるのではないか」

と考えました。

そこで京浜急行電鉄へ連絡し、

「土地を買い取っていただけませんか?」

と打診しました。

結果は、

「土地そのものの買取りはできない。ただし、地上権を設定させてほしい」

という回答でした。

そこで協議を進め、京浜急行電鉄との間で区分地上権設定契約を締結。

その際には保証金も受領しました。

この部分は、土地を取得する段階からある程度想定していたことでもありました。

問題と思われる条件でも、見方を変えれば解決への材料になることがあります。

近隣住民が使っている「駅への抜け道」

さらに土地を調査すると、一部の細い通路を近隣住民の方々が駅への近道として長年利用していることがわかりました。

このまま土地全体を第三者へ売ってしまえば、新しい所有者が、

「ここは私有地なので通行禁止です」

とする可能性もあります。

そこで土地を分筆しました。

分筆後の公図でも、土地が複数の筆に整理されていることが確認できます。 

そして私は自治会長さんへ連絡しました。

「皆さんが駅への近道として使っている部分があります。今後、別の方に所有権が移れば通れなくなる可能性があります。自治会でこの土地を引き受けませんか?」

ところが回答は、

「今まで通り道として使わせてほしい。ただし土地の所有権はいらない」

というものでした。

それなら別の方法を考えるしかありません。

最終的には買主様との売買契約の中で、

近隣住民の方々が今後も通路として利用できるようにすること

をお約束いただくことにしました。

土地を売ることだけが目的ではありません。

その土地が地域の中でどのように使われてきたのか。

売却した後に周囲の方々が困ることはないか。

そこまで考えて初めて、問題解決になると私は思っています。

それでも、なかなか売れない

一つずつ問題を整理し、販売を開始しました。

販売時には132㎡と546㎡の2区画として募集し、「家庭菜園やガーデニング」という利用方法を前面に出しました。 

問い合わせはありました。

ただ、

「車が入らないのはちょっと…」

「水道が近くにないなら難しい」

と断られることもありました。

当然です。

住宅は建ちません。

車も入りません。

一般的な不動産の条件で探している方には合わない土地なのです。

だから私は、

住宅を建てたい人を探すのではなく、この土地そのものを楽しめる人を探す

必要があると考えていました。

そして、運命的な出会いがありました。

比較的近くにお住まいの方が現地をご覧になり、

「昔、畑をやっていたので、ここで野菜や果物を作りたい」

とおっしゃったのです。

私たちが探していたのは、まさにこういう方でした。

建物が建たないことが問題にならない。

車が入らなくても構わない。

土地そのものを畑として使いたい。

最終的には2区画まとめてご購入いただき、無事に売買契約、そしてお引渡しまで完了しました。

担当者からの一言

取引が終わってしばらく経ったある日、近くを通ったので現地へ立ち寄ってみました。

そこで目にした光景を、私は今でもよく覚えています。

かつて草木が生い茂っていた耕作放棄地。

売主様にとっては、

「できるだけ早く処分したい」

と悩み続けていた土地です。

その場所が、見事な畑になっていました。

青々とした野菜や果物が育っている。

実際に売主としてその光景を見たとき、

「本当に良かったな」

と心の底から思いました。

前所有者様にとっては「お荷物」だった土地。

しかし買主様にとっては、大切な野菜や果物を育てる場所になりました。

そして近隣住民の方々は、今までと同じように駅への近道を利用することができます。

結果として、

売主様も良かった。
買主様も良かった。
近隣住民の方々も良かった。

そんな取引になりました。

これこそ、私たち株式会社リライトが大切にしている、

「不動産による縁結び」

だと思っています。

人口減少や高齢化が進むこれからの日本では、相続した農地や山林、再建築不可物件、空き家、市街化調整区域など、

「売れない」
「使えない」
「処分できない」

と思われる不動産は、さらに増えていくと思います。

しかし私は、全国の難しい不動産と向き合ってきて感じています。

「売れない不動産はない」

もちろん、どんな不動産でも簡単に、高く売れるという意味ではありません。

その土地に合った使い方を考える。

必要としている人を探す。

法律上の問題を一つずつ整理する。

行政、近隣住民、関係者と話をする。

そして、

「相場がないところに相場をつくる」

それが、私たちの仕事だと思っています。

今回の土地も、住宅用地として考え続けていたら、おそらく解決できなかったでしょう。

建物が建たなくてもいい。

車が入らなくてもいい。

水道がなくてもいい。

「畑をやりたい」という人にとっては、十分に価値のある土地だったのです。

誰かにとっての負動産が、別の誰かにとっての宝物になる。

どんな不動産にも可能性はあります。

再建築不可、農地の処分、山林売却、耕作放棄地、車が入らない土地、未接道、市街化調整区域、私道、借地、底地、相続不動産など、他の不動産会社で断られてしまった物件でも、方法が残されているかもしれません。

「こんな土地を相談してもいいのだろうか」

と思わず、まずは一度ご相談ください。

株式会社リライトでは、全国の「売れない不動産」の問題解決に取り組んでいます。

どんな不動産にも可能性はある。

その土地に合った次の所有者を見つけることも、私たちが考える「不動産による縁結び」です。