仲介事例【岡山県津山市】他社で断られた相続空き家を売却|解体費約500万円の実家を「5円のご縁」で次の担い手へ
| ご相談者: | A.K 様(ホームページからのお問い合わせ) 兵庫県伊丹市 |
「タダでもいいから、相続した実家を手放したい」
兵庫県にお住まいの売主様から、岡山県津山市にあるご実家の売却についてご相談いただきました。
相続したものの、遠方のため管理が難しく、長年空き家となっていた住宅。所有し続けることが、売主様にとって経済的にも精神的にも負担となっていました。
地元の不動産会社数社へ相談されても、「売れない」「うちでは扱えない」と断られてしまったとのこと。売却したくても、引き受けてくれる不動産会社が見つからない状況でした。
売主様の願いは、少しでも高く売ることより、管理しきれないご実家を手放すこと。その思いを受け、当社 株式会社リライトで売却のお手伝いをすることになりました。
状況

片付けだけでは使えない、傷みのある建物
対象は、築年数が不明な昔ながらの広い住宅でした。
室内には家具や生活用品などの残置物が大量にあり、建物には床が抜けている箇所や雨漏りの形跡、害獣が入り込んだ痕跡もありました。設備も作動しない様子で、そのまますぐに住んだり、貸したりできる状態ではありませんでした。
安く購入できたとしても、その後には片付けや修繕の負担が伴います。建物の状態を理解し、自分で手をかけることを含めて検討できる買主様を探す必要がありました。
庭木の越境と、見つからない境界標
庭先には大木が複数あり、枝葉が隣地へ大きく越境していました。また、土地の境界の目印となる境界標も見つかりませんでした。
建物の中だけを見て売却条件を決めるわけにはいきません。庭木や敷地の状況など、購入後の管理にも関わる問題を把握し、買主様へ伝える必要がある物件でした。
解体費用の目安は約500万円
建物を解体する場合の費用は、約500万円が目安となっていました。一方、残して使う場合にも、片付けや修繕に費用がかかります。
売主様にとって、「解体して更地にすればよい」と簡単に判断できる状況ではありません。
地元各社が取り扱いを断った詳しい判断理由まではわかりませんが、今回の物件は、購入価格だけでなく取得後の負担まで理解して引き受けられる方を見つけなければ、売却につながりにくい状態でした。

解決策
横浜から現地へ。資料だけで判断しない調査
私、田中裕治が横浜から岡山へ向かい、役所調査と現地調査を行いました。
遠方の空き家であっても、売却を進めるには、まず状況を把握することが必要です。建物の傷み、残された荷物、庭木の状態、敷地や周辺の様子を確認し、買主様へ説明すべき点を整理しました。
真夏の現地調査では、思わぬ出来事もありました。周囲から見慣れない人がいると思われたのか、私は人生で初めて職務質問を受けることに。忘れられない調査になりました。
それでも、現地で自分の目で確かめたからこそ、物件の良さも難点も、自分の言葉で購入希望者へ伝えることができます。
売出価格5円。価格と同時に「誰へ届けるか」を考える
今回は、「良いご縁がありますように」との願いを込め、売出価格を5円に設定しました。
ただ、安くすることだけが解決策ではありません。片付けや修繕などを見据え、この家を活用しようと考えられる方へ届けることが重要でした。
当社には、低廉な不動産を購入したいというお客様が多くいらっしゃいます。そのつながりを生かし、今回はご自身で戸建をDIYし、賃貸住宅として活用する関東地方在住のお客様へご紹介しました。
建物に手をかけて使うことを考えられる方であれば、今回の物件も検討の対象になるのではないか。そのように考えてのご紹介でした。
「遠いよ、難しい」。距離への懸念にも向き合う
買主様の最初のお返事は、「遠いよ、難しい」というものでした。
関東から津山市までの距離を考えると、修繕や管理への懸念は当然です。私は物件の良さだけでなく、ウィークポイントも説明し、検討していただきました。
売主様の問題を解決するためであっても、買主様が十分に理解しないまま購入する形では、良い取引にはなりません。何を引き受けることになるのかも含めて、納得していただくことを大切にしました。
最終的に、買主様からは、
「そこまで田中さんが言うなら…、わかった、買います」
とお返事をいただくことができました。
物件の状態を伝えることに加え、これまでのお客様とのつながりが、今回の売却を前へ進める力となりました。
書類の事前確認を経て、契約・引渡しへ
購入のご意向をいただいた後は、私が売買契約書と重要事項説明書を作成。売主様・買主様へ送付し、事前に内容をご確認いただきました。
その後、売主様、買主様、私が一堂に会し、売買契約、売買代金の授受、所有権移転の手続きを行いました。
売却を断られ、管理の負担を抱えていたご実家を、DIYによる修繕・賃貸活用を目指す次の担い手へつなぐことができました。
今回は、当社が報酬をいただかずに対応したボランティア案件です。
担当者からの一言
今回の解決は、解体や全面的な修繕を先に済ませることではなく、この家の状態を理解し、引き受けてくださる方と出会えたことにありました。
人口減少や相続に伴う空き家問題では、家を引き継いだ方が、その地域で暮らしているとは限りません。遠方から管理を続けることが難しくても、解体費用をかけて処分することも簡単ではない。その間で、身動きが取れなくなってしまう方がいらっしゃいます。
私たちが大切にしている「売れない不動産はない」という言葉は、売却を必ずお約束するものではありません。「難しい」と言われた物件にも、解決の可能性を探し続けるという姿勢です。
今回も、価格だけで判断せず、物件の課題、売主様の希望、買主様の活用方法を結びつけることで、取引が成立しました。これも「相場がないところに相場をつくる」仕事の一つだと感じています。
買主様の修繕や賃貸活用はこれからですが、まずは家を引き継いでくださる方が見つかりました。家も、街も、次の担い手が現れたことを喜んでくれていたら嬉しいです。
5円に願いを込めて始めた売却活動が、良い「ご縁」につながった。
売主様にも買主様にも意味のある、まさに「不動産による縁結び」となりました。
相続した実家を管理できない方、残置物や建物の傷みを理由に売却を断られた方、子どもに管理の負担を残したくない方も、一人で抱え込まずにご相談ください。
どんな不動産にも可能性はある。
同じようなお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。
※本物件は成約済みです。
※5円は売出価格です。解体費用約500万円は、本物件についての目安です。




