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売れない土地に、伝えていない魅力はないか?香川県さぬき市で気づいた不動産売却の視点
売却が進まない土地や空き家は、価格や条件の見直しに加え、「その場所の良さが、必要とする人に伝わっているか」を確かめることも大切です。
ただし、魅力の発信だけで、建築や利用の制限がなくなるわけではありません。何ができて、どんな負担があり、誰の希望に合うのか。その判断に必要な情報と一緒に伝えることが、売却の可能性を探る一歩になります。
おはようございます。
横浜を拠点に全国の売却が難しい不動産のご相談に対応している、難あり物件コンサルタントの田中です。
9月28日(月)から10月1日(木)まで、香川県へ出張していました。
さぬき市で土地や農地のご相談に向き合い、役所や現地を回った4日間。
その合間に見た風景から、不動産の仕事にも通じる大切なことを感じました。
■ 四国最大の古墳を、通り過ぎそうになった
今回訪れた場所の一つが、さぬき市の富田茶臼山古墳です。

文化庁の「文化遺産オンライン」でも紹介されている、四国最大の前方後円墳です。文化遺産オンライン
ところが、実際に訪れると、いかにも観光名所という雰囲気ではなく、私は危うく通り過ぎてしまいそうになりました。
「四国最大」という、訪れてみたくなる特徴がある。
それなのに、現地で受けた印象は、とても控えめでした。
もちろん、一度訪れただけで年間の来訪者数や発信の取り組み全体はわかりません。
文化財は保存も大切ですし、人を集めればよいというものでもないでしょう。
それでも、「この場所のすごさを、訪れる前からもっと知ることができたら、見え方が違うのではないか」と感じました。
価値があることと、その価値が伝わっていることは、別なのですね。
■ 変わらない集落の風景が、誰かにとっての価値になる
富田茶臼山古墳や門入ダムを訪ねる中で、心に残ったのは、高台から見渡す農村の景色でした。

派手なものがあるわけではありません。
それでも、何だかホッとする。
しばらく眺めていたくなる風景でした。
そこで暮らす方にとっては、当たり前の景色かもしれません。
しかし、同じ景色が、どの地域にもあるわけではありません。
田畑と家々がある集落の風景。
街なかとは違う見晴らし。
日々の暮らしが続いている場所の空気。
変わることで生まれる価値もあれば、変わらずに残っていることで感じられる価値もある。
今回、私はそう思いました。
ただ、外から来た人が心地よいと感じる景色にも、そこで暮らす方の管理や日々の営みがあります。
「のどかでいいですね」で終わらず、暮らす側の現実も知る必要があります。
実際、今回の出張では、朝夕の幹線道路の渋滞も経験しました。
地方だから移動がいつでも快適、というわけでもありません。
地域の魅力と、生活するうえでの条件。
その両方を見てこそ、土地を次に使う人へ、役に立つ情報を届けられるのだと思います。
■ 不動産も、条件だけでは伝わらないことがある
これは、再建築不可物件や地方の空き家、土地の売却にも通じます。
面積、価格、築年数、駅からの距離。
買主様が判断するために、どれも欠かせない情報です。
ただ、その情報だけでは、「そこでどう過ごせるか」までは伝わらないことがあります。
例えば、窓から何が見えるのか。
庭と周囲の家は、どのくらい離れているのか。
現地に立つと、どの方向に視界が開けているのか。
所有者にとって見慣れた特徴も、別の場所で暮らす人には、探していた条件かもしれません。
反対に、「自然豊か」「眺望良好」という言葉だけでは、購入を検討する側も具体的に想像しにくいでしょう。
誰に、何を、どんな根拠で伝えるのか。
売却のための発信では、そこまで考えることが大切だと感じています。
■ 晴れた日に、同じ農地の写真を撮り直した理由
今回の出張では、一度訪れた農地に、晴れた日に改めて足を運び、写真を撮り直しました。
前日の天気がよくなかったためです。
同じ土地でも、空の明るさや光の入り方で、写真から受ける印象は変わります。
現地で感じる広がりや周辺の風景が、暗い写真だけでは十分に伝わらないこともあります。
土地そのものは変わっていません。
それでも、伝え方には改善できる余地があります。
もちろん、都合の悪い部分を隠すための撮影ではありません。
進入路、土地の状態、周辺との関係など、判断に必要な写真もそろえる。そのうえで、本来の良さが伝わる写真を用意するということです。
海を目の前にする土地、海を遠望できる高台の土地にも、それぞれ違った魅力がありました。
一方で、火災後の基礎が残る土地では、その扱いや費用を整理する必要があります。
景色だけで購入を決めてもらうのではなく、引き継いだ後を想像できる情報を届けたいと思っています。
■ 売却が進まないときに見直したい、三つのこと
私なら、価格の検討とあわせて、次の三つを確認します。
① その物件の特徴を、具体的に伝えているか
「静かな場所」「自然が豊か」といった言葉に加え、周囲の様子や現地で確認した特徴を、写真と説明で示します。
魅力の感じ方には個人差があるため、買主様自身が判断できる情報にすることが大切です。
② 誰に合う物件なのか、考えているか
交通の便利さを最優先する人と、周辺環境や眺めを重視する人とでは、物件を見る基準が違います。
どのような希望を持つ人に合いそうかを考え、紹介文や写真の選び方を見直します。
③ 希望する使い方ができるか、課題も伝えているか
再建築不可物件なら、建て替えに制約があることを前提に、既存建物の状態や道路との関係を確認する。
農地なら、希望する取得・利用方法について農業委員会などへ確認する。
「こんな使い方ができそう」という発想と、「その使い方ができると確認した」という事実は分けなければなりません。
修繕や撤去、維持管理にかかる負担も含めて伝えることで、買主様が検討しやすくなります。
■ 「何もない」と決める前に、もう一度見てみる
今回の出張では、ご家族の近くで暮らすことを考えているお客様のお話も伺いました。
土地の売却の先には、その方のこれからの暮らしがあります。
だからこそ、「地方だから難しい」「条件が悪いから仕方ない」で、考えることを止めたくありません。
今回のご相談は、まだ売却に向けた検討段階です。
発信を変えれば必ず売れるわけでも、感じた魅力がそのまま価格になるわけでもありません。
それでも、売れない理由を調べることと、まだ伝えていない良さを探すことは、両方必要だと思います。
四国最大の古墳も、当たり前に広がる集落の景色も。
その良さを知るきっかけがあれば、足を止める人がいるかもしれません。
不動産も同じです。
所有者が見慣れた風景の中に、次の使い手が求めるものがあるかもしれない。
皆さんが「何もない」と思っている土地には、本当に何もないでしょうか。
当社 株式会社リライトでは、物件の課題を整理しながら、その場所の良さをどう伝え、誰につなげられるかを考えています。
売却や処分に悩む土地、相続した空き家について、まずは現状とご希望をお聞かせください。
同じようなお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。
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