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その崖を、子どもに残しますか?被災した不動産会社の代表が伝えたいこと

相続した崖、そのままで大丈夫?崖崩れの実体験から考える山林・崖地の手放し方



使う予定がなく、これからも管理を続けることが難しい崖地や山林は、早めに売却・処分の可能性を調べておくことをお勧めします。

ただし、「安くすれば売れる」とも限りません。崖の状態や周囲への影響、管理に必要なことを整理し、事情を理解して引き継いでくれる相手を探すことが大切です。



こんにちは。横浜を拠点に、全国の売却が難しい不動産の相談に対応している、再建築不可物件コンサルタントの田中です。



最近、私のまわりでは、崖地や山林に関する話題が続いています。



相続したものの使い道がない。

遠方で管理に行けない。

大きくなった木や、崖の状態が心配。



「タダでもいいから手放したい」というご相談には、値段の問題だけでなく、持ち続けることへの不安もあるのだと感じています。



山林 崖崩れ



1.自分の物件で、崖崩れの被害が起きた

私自身、熱海市にある当社所有物件で、裏の崖が崩れる被害を経験しました。

スタッフから送られてきた写真には、外壁に大きな亀裂が写っていました。

さらに、外の大木が壁を貫通し、室内にまで入り込んでいるとの報告。



全国の難しい不動産に関わってきた私でも、写真を見たときは動揺しました。



物件を取得した後、裏の崖の管理を求める申し入れをし、保険にも加入していました。

それでも被害は起きました。

今回の原因や費用負担などは、確認・整理が必要な段階です。

ただ、被害を受ける側になって、改めて感じたことがあります。



崖の問題は、崩れた土を片づければ終わり、というものではない。



建物は安全なのか。今後どう使うのか。

修繕はどうするのか。

所有者として考えなければならないことが、一度に増えるのです。



2.崖や擁壁をめぐって、こんなトラブルも

過去には、大雨で斜面が崩れ、近くに止めてあった車が土砂で被害を受けた事例があります。

また、土地の高低差を支える壁である「擁壁」が倒れそうになり、上側と下側の土地の所有者の間で、改修をどうするか、費用を誰が負担するかが争いになった事例もあります。



ここでは、個別の事件について誰が正しかったかを論じたいわけではありません。

お伝えしたいのは、崖や擁壁の問題が起きると、土地だけでなく、車や建物、近隣との関係にまで影響が広がることがある、ということです。



危ないから早く対策をしてほしい側と、すぐには工事の手配や費用の準備ができない側。

その間で話し合いが進まなければ、不安な時間も長くなってしまいます。



だからこそ、問題が大きくなる前に、現状を確認しておきたいのです。



参考:斜面崩落による車両被害、擁壁の改修をめぐる事例の紹介

https://media.j-shield.co.jp/blog/legal-rain-and-landslide-disaster

https://yokoyalp.jp/tochi/column2018121001/



3.「使っていない土地」でも、確認しておきたいことがある

崖地や山林は、自分が使っていなくても、その下に誰かの家や道路があることがあります。

所有している崖について、最後に状態を確認したのはいつでしょうか。



どこまでが自分の土地なのか。

崖の下には何があるのか。

古い擁壁や排水設備はあるのか。

過去に補修した記録は残っているのか。

近隣から気になる変化を知らされていないか。



まずは、わかる範囲で整理してみてください。



不安があるときは、危険な場所へ自分で入るのではなく、自治体の窓口や斜面・擁壁に詳しい専門家へ相談することをお勧めします。



所有者にできる大切なことは、異変を知らされたときに、そのままにしないこと。

自分では判断できない部分を、専門家につなぐことです。



4.崖下の所有者も、連絡して終わりにしない

崖の下に家や土地を持つ側にも、できる備えがあります。

崖や擁壁の所有者と連絡が取れるかを確認し、気になる変化があれば、いつ、どこが、どう変わったのかを伝える。

安全な場所から撮れる写真や、連絡の記録も残しておくと、状況を説明しやすくなります。



私も事前に管理の申し入れをしていましたが、連絡したことと、安全になったことは別でした。



目に見える異変や崩落があるときは、相手の返事を待つだけでなく、安全確保と自治体・専門家への相談を優先してほしいと思います。

危険が迫っている場合には、その場を離れて消防などへ連絡してください。

大事なのは、誰が対応するかを話し合っている間にも、人の安全を置き去りにしないことです。



5.管理が難しいなら、早めに手放す準備を

崖地を持ち続ける負担は、固定資産税だけではありません。

様子を見に行く時間、近隣からの連絡への対応、点検や補修の検討。

そして、大雨のたびに気になるという心の負担もあります。



遠方で管理できない。

今後も利用する予定がない。

家族も引き継ぎを望んでいない。



そんな状況なら、私は「いつか考える」を少し早めて、今のうちに売却や譲渡の可能性を調べてほしいと思っています。

もちろん、すべての崖地に買い手が見つかるわけではありません。

ただ、隣接地と一緒に管理する意味がある土地なのか、利用を考えられる相手がいるのか、どのような条件なら引継ぎを検討してもらえるのか。

調べなければ、可能性もわかりません。



売却相談のときは、土地の所在地がわかる資料や図面、安全な場所から撮った写真、過去の補修資料など、手元にあるものから用意していただければと思います。

最初から全部そろっていなくても、まずは何がわかっていて、何がわからないのかを整理するところからです。



6.買う人が知りたいのは「安さ」だけではない

売却する側は、価格を下げれば引き取ってもらえるのでは、と考えがちです。

でも、買う側からすると、気になるのはその後です。



どこを管理する必要があるのか。

どんな対策が必要なのか。

近隣との間に、未解決の話が残っていないか。

こうした点が見えなければ、1円でも購入をためらうのは自然なことだと思います。



だから、わかっている問題は正しく伝え、未確認の点も共有する。

そのうえで、管理や対策を担える相手と、引継ぎの条件を考えていくことが大切です。



売却は、今ある問題を隠して終わらせる方法ではありません。

対策が必要な状態なら、売却先を探す間も対応を考える必要があります。



7.土地と一緒に、不安まで残さないために

親から受け継いだ土地を手放すことに、迷いを感じる方もいらっしゃると思います。

それでも、ご自身が管理に困っている土地を、そのまま子どもに引き継げば、同じ悩みを次の世代が抱えるかもしれません。



その崖を、家族に安心して引き継げますか。



もし答えに迷うなら、今の状態を調べることから始めてみてください。

所有を続けるための準備も、手放すための準備も、状況を知ることが第一歩です。



私自身の被災経験も、これからのご相談に生かしていきたいと思っています。



私が代表をしている株式会社リライトでは、横浜を拠点に、全国の崖地・山林・再建築不可物件など、売却が難しい不動産のご相談に対応しています。

売却や買取の可能性を含め、物件の状況に合う方法を一緒に考えます。

一人で抱えている不安も、整理してみると、次にできることが見えてきます。



同じようなお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。