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「不況になったら売る」では遅い?再建築不可・空き家の売却で見るべき市場の変化
みなさん、こんにちは。
再建築不可物件コンサルタントの田中です。
今回は不動産売却で見るべき市場の変化について。
再建築不可物件や空き家の売却を考えるとき、「不況になったとわかってから動こう」と待つことには注意が必要です。景気の転換点が明確になる前に、買主の予算や融資条件、実際に売れる価格が変わることがあるからです。
ただし、今すぐ値下げすればよいという話でもありません。
確認したいのは、所有する物件の問い合わせ状況、近隣の成約事例、買主の資金調達、そして売却まで待てる期間です。
今日は電車で都内へ向かう途中、Yahoo!ニュースで都心マンションの売れ行きに関する記事を読みました。
昨日は不動産開発会社の倒産記事。
そして、不動産代理・仲介業の倒産動向の調査も目にしました。
続けて読んで感じたのは、「市場の変化は、すでに現場から始まっているのではないか」ということでした。
「暴落の条件」を確認してからでは、判断が遅れることもある
マンションの記事では、筆者が本格的な価格下落を考えるうえで、不況と金融引き締めの2つを重視していました。
金融引き締めとは、金利を上げるなどして、お金を借りたり使ったりする勢いを抑える政策のことです。
記事の問題提起は理解できます。
ただ、私は読んでいて、こう思いました。
「その条件がそろったと、その場でわかるのだろうか?」
利上げの発表は確認できます。
しかし、それが売れ行きや資金繰りにどれほど影響したかは、後になって見えてくる部分があります。
また、内閣府が設定する景気の山・谷も、複数の経済指標の動きをならし、研究会での議論を踏まえて判断する仕組みです。
その日のニュースで、転換点が即座に確定するわけではありません。
過去の下落を説明できることと、次の下落の始まりを見抜けることは別です。
「まだ不況と確定していないから大丈夫」と考えることには、私は慎重でありたいと思います。
景気が回復しても、家を買う余裕が増えるとは限らない
「景気は悪くない」と聞いても、生活に余裕ができたと感じない方もいるのではないでしょうか。
給与が増えても、税金や社会保険料を差し引き、食費や光熱費などを払った後、住宅に回せるお金が増えているとは限りません。
可処分所得は、一般に収入から税金や社会保険料などを差し引いた、手元で使える所得を指します。
そこから生活費を払うため、物価によっても家計の余裕は変わります。
ここで「すべての世帯の可処分所得がずっと減っている」と断定したいわけではありません。
所得の動きは、期間や世帯、物価を考慮するかで違います。
私が不動産の売却で重視したいのは、経済全体の評価に加えて、「その物件を買う人に、実際にいくらの予算があるか」です。
売主様の希望額と買主様が負担できる金額。この差が広がれば、売却は難しくなります。
不動産会社の倒産記事で気になった「売れないと返せない」構造
昨日読んだMBSニュースでは、不動産開発会社「Hatch Out」と関連会社の破産が報じられていました。
記事によると、急激な事業拡大に伴う約90億円近くの借入負担に加え、不動産販売の停滞で売却代金による返済計画が崩れ、資金繰りが悪化したとのことです。
もちろん、個別企業の経営事情があり、この倒産だけで全国の不動産価格が下落しているとは言えません。
それでも、売れる予定だった物件が売れず、資金が戻らなくなる。
この構造は、買取再販に携わる立場としても他人事ではありません。
帝国データバンクの調査では、2026年1~8月の不動産代理・仲介業の倒産は86件。
前年同期の87件より1件少ないものの、高水準が続いています。
対象は負債1,000万円以上の法的整理です。
同調査は競争激化や大手と中小の集客力の差にも触れており、倒産件数をそのまま物件価格の下落と結び付けることはできません。参考:帝国データバンク「不動産代理・仲介業の倒産動向(2026年1-8月)」2026年9月8日公表
再建築不可物件は「買主が購入後に何をできるか」まで考える
都心マンションの動きが、そのまま地方の空き家や再建築不可物件に当てはまるわけではありません。
ただ、買主の予算が限られるという問題は共通しています。
再建築不可物件では、まず建て替えを妨げている理由を確認しなければなりません。
道路との関係、私道の権利、建物の状態など、問題の内容によって買主が判断する材料も変わります。
購入価格が安くても、修繕に多額の費用が必要なら、買主の総予算には収まらないかもしれません。
融資の利用可否や条件も、物件と金融機関ごとに確認する必要があります。
そのため、販売時に整理したいのは次の点です。
・道路や敷地について、役所で確認すべき事項は何か
・私道の通行や工事について、権利関係・承諾の確認が必要か
・建物を使うために、どの程度の修繕が必要か
・購入費用に修繕費などを加えた総額はいくらになるか
・どのような利用目的の買主なら検討できるか
これらは物件ごとに調べる事項であり、調査前に「住める」「貸せる」「建て替えられる」と約束できるものではありません。
私が大切だと思うのは、価格だけを下げる前に、買主が判断できずにいる理由を特定することです。
売却の判断では、景気の呼び名より「反応の変化」を見る
私自身、最近届く物件情報の中で、内々の価格相談が目につくようになったと感じています。
これは私の業務で接した範囲の実感で、全国市場を集計した統計ではありません。
ただ、こうした現場の変化を見過ごしたくはありません。
売却中の物件なら、問い合わせが少ないのか、内見はあるのに申込みがないのか、融資や修繕費が障害になっているのかを分けて考えます。
近隣物件との比較も、売出価格だけでなく、実際の成約価格や販売期間を確認したいところです。
建て替えの可否など、条件の違いにも注意が必要です。
価格が原因なら見直す。
情報不足が原因なら調査結果を伝える。
購入後の使い方が伝わらないなら、根拠のある利用案を整理する。
すべてを「不況だから売れない」で片付けてしまうと、本来できる対応まで見落としてしまいます。
「いらない不動産」と決める前に、今できる準備を
相続した実家や空き家には、ご家族の思い出があります。売却をためらうお気持ちは、簡単に割り切れるものではありません。
だからこそ、「いつ売るか」を決める前でも、現状を調べ、維持にかかる負担と売却の選択肢を知っておくことには意味があります。
一般の買主を探す仲介と、不動産会社による買取では、価格や売却までの時間、引渡し条件が異なります。
ご事情に合わせて比較することが大切です。
市場の変化を予測し切ることはできません。
それでも、自分の不動産の問題を整理し、誰にどう引き継げるかを考えることはできます。
株式会社リライトでは、横浜を拠点に、全国の再建築不可物件や売却が難しい空き家などのご相談に対応しています。
「まだ売るか決めていない」「他社で難しいと言われた」という段階でも、まずは状況をお聞かせください。今できることを一緒に整理していきましょう。
同じようなお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。
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