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「住み続けられる」は本当? リースバックで増えているトラブルとは


 みなさん、こんばんは。

再建築不可物件コンサルタントの田中です。



 今回は、リースバックについて。

最近、テレビCMやインターネット広告などで目にする機会が増えた「リースバック」



自宅を売却した後も、そのまま賃貸として住み続けられる仕組みで、




  • 老後資金を確保したい

  • 住宅ローンを完済したい

  • 相続対策をしたい



という方から注目されています。



ただ、その一方で近年は国民生活センターや消費者庁にもリースバックに関する相談が増加しています。



今回は、不動産業界の現場にいる立場から、リースバックで実際に問題となっていることと、リースバックに向いている人・向いていない人について解説します。





リースバックとは?



簡単に言うと、



「自宅を売却し、その後は家賃を支払いながら同じ家に住み続ける仕組み」



です。



例えば、




  • 自宅を売却

  • 売却代金を受け取る

  • 買主と賃貸借契約を締結

  • 毎月家賃を支払う



という流れになります。



まとまった資金を確保できるため、一見すると魅力的な仕組みに見えます。



しかし、契約内容を十分に理解しないまま利用すると、思わぬトラブルにつながることがあります。





リースバックで問題になっていること 第3位



第3位 思っていたより売却価格が安かった



リースバックでは、通常の仲介売却と比較すると売却価格が低くなる傾向があります。



なぜなら、



購入する事業者側は、




  • 将来の空室リスク

  • 家賃滞納リスク

  • 建物老朽化リスク

  • 再販売できないリスク



などを考慮するためです。



そのため、



市場価格が3,000万円の不動産でも、リースバックでは2,000万円前後になるケースもあります。



問題なのは、



「普通に売るのと同じくらいの価格で売れると思っていた」



という認識のまま契約してしまうこと。



売却価格だけを見るのではなく、



「住み続けられる権利も含めた取引」



であることを理解しておく必要があります。





第2位 買戻しできると思っていた



リースバックの広告で、



「将来買戻し可能」



という表現を見ることがあります。



ただし、



買戻しには条件があります。



例えば、




  • 一定期間以内であること

  • 買戻し価格が決まっていること

  • 資金調達できること



などです。



実際には、



売却後に資金が準備できず買戻しできないケースもあります。



また、買戻し価格は売却価格より高く設定されることが一般的です。



「いつでも元に戻せる」



と思っていると、後になって大きな誤算となる可能性があります。





第1位 家賃が払えなくなり住み続けられなくなる



これが最も多く、そして最も深刻な問題です。



リースバックでは、



自宅を売却した後、



毎月家賃を支払い続けなければなりません。



例えば、



売却代金を生活費や借入金返済に充てた場合、



数年後には資金が減少してしまうことがあります。



その時に、




  • 年金だけでは家賃が払えない

  • 医療費や介護費が増えた

  • 想定より長生きした



という状況になることもあります。



すると、



「この家にずっと住み続けられると思っていた」



にもかかわらず、



家賃滞納により退去せざるを得なくなるケースがあります。



実は、行政が最も懸念しているのもこの点です。



つまり、



リースバック最大のリスクは『長生きリスク』なのです。



不動産 リースバックトラブル





リースバックに向いている人



私はリースバックそのものが悪い仕組みだとは思いません。



実際に向いている方もいます。



例えば、



・数年以内に施設入所予定の方



長期間住み続ける前提ではないため、リースバックとの相性は良いでしょう。



・相続人がおらず、自宅を残す必要がない方



資産を現金化し、自分の生活資金として活用できます。



・住宅ローンや借入金を整理したい方



生活再建の選択肢として有効な場合があります。



・転居はしたくないが一時的にまとまった資金が必要な方



事業資金や生活資金の確保に役立つことがあります。





リースバックに向いていない人



一方で、次のような方は慎重に検討すべきです。



・「死ぬまで住める」と思っている方



契約内容によっては住み続けられない可能性があります。



・年金だけで家賃を支払う予定の方



長生きするほど資金計画が苦しくなる可能性があります。



・自宅を子どもに残したい方



所有権は買主へ移転します。



当然ながら相続財産にはなりません。



・相場より安く売ることに納得できない方



一般的な仲介売却の方が高く売れる可能性があります。





本当に大切なのは「何年住むのか」



リースバックの相談で大切なのは、



「いくらで売れるか」



ではありません。



本当に考えなければならないのは、



「その後の人生設計」



です。




  • 何歳まで住む予定なのか

  • 家賃を払い続けられるのか

  • 将来施設に入る予定はあるのか

  • 子どもに何を残したいのか



ここを考えずに契約すると、



後で大きな後悔につながることがあります。





まとめ



リースバックは決して悪い仕組みではありません。



ただし、




  • 売却価格が安くなる可能性がある

  • 買戻しできるとは限らない

  • 家賃を払い続ける必要がある



という特徴を十分に理解して利用する必要があります。



不動産会社として大切なのは、



「リースバックできますよ」



と勧めることではなく、



「本当にその方の人生設計に合っているのか」



を一緒に考えることだと思います。



もし今、不動産の売却や相続した不動産の処分でお悩みの方は、焦って契約する前に複数の選択肢を比較検討することをおすすめします。



同じようなお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。