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知らないと危険…再建築不可物件のリフォームで「建築確認が必要になる境界線」

 みなさん、おはようございます。
再建築不可物件コンサルタントの田中です。

 今回は再建築不可の大規模修繕・模様替え工事の注意点について。
最近、再建築不可物件や古民家のリフォーム相談が本当に増えています。

ただ、その中で非常に多いのが、

「どこまでなら自由に直せるの?」
「建築確認って必要?」
「リフォームなのに違法になるの?」

というご相談。

実は2025年の建築基準法改正・建物省エネ基準適合制度の強化により、これまで以上に“知らずに工事してしまうリスク”が高まっています。

特に再建築不可物件は、通常の不動産以上に慎重な判断が必要です。

今回は、再建築不可物件を扱う不動産会社として、できるだけわかりやすく整理してみます。
 

そもそも「建築確認」とは?

建築確認とは、

「その工事内容が建築基準法に適合しているか」

を行政や指定確認検査機関がチェックする制度です。

一般的には、

  • 新築
  • 一定規模以上の増築
  • 大規模修繕
  • 大規模模様替え

などで必要になります。
 

建築確認が必要になる代表例

① 建物を新築する

これは当然、建築確認が必要です。

ただし、再建築不可物件の場合、そもそも建替え自体ができないケースが多い。

つまり、

「古家を壊した瞬間に終わる」

というケースもあります。

② 増築する

例えば、

  • 部屋を広げる
  • サンルームを増設する
  • 平屋を2階建にする
  • 離れを増設する

など。

この場合、原則として建築確認が必要になります。

さらに怖いのはここから。

増築をすると、
“増築部分だけ”ではなく、
既存建物側にも現行法適合を求められるケースがあること。

例えば、

  • 構造
  • 防火
  • 採光
  • 耐震
  • 接道
  • 省エネ基準

など。

つまり、

「少し増築しただけなのに、建物全体の問題が表面化する」

ということがあります。
 

建物省エネ基準適合も重要に

2025年4月以降は、
原則として新築住宅・一定規模の建築行為に対し、省エネ基準適合が求められる流れが強化されています。

つまり、

  • 断熱性能
  • 開口部性能
  • 一次エネルギー消費量

なども重要に。

古い再建築不可物件は、
そもそも現在の基準とかけ離れていることも多いため、

「直そうと思ったら、想定以上に大掛かりになる」

ケースもあります。
 

逆に建築確認が不要なケースは?

ここを勘違いされている方が非常に多い。

一般的な修繕や軽微なリフォームは、
建築確認不要です。

例えば、

  • クロス交換
  • キッチン交換
  • ユニットバス交換
  • 外壁塗装
  • 屋根の葺替え(一部)
  • フローリング交換
  • 設備交換

など。

つまり、
普通の内装リフォーム程度なら、
基本的には確認申請不要なことが多い。

ただし注意点があります。
 

「大規模修繕」「大規模模様替え」は別問題

特に再建築不可物件で問題になるのがここ。

建築基準法では、

大規模修繕

主要構造部の1種以上について、
過半を修繕する工事

大規模模様替え

主要構造部の1種以上について、
過半を模様替えする工事

を指します。

主要構造部とは、

  • 屋根
  • 階段

など。

つまり、

「骨組みレベルで大きくいじる」

と建築確認が必要になる可能性が高い。

最近よくある、

「古民家フルリノベーション」
「スケルトンリフォーム」

は特に要注意です。
 

再建築不可物件で怖いのはここ

再建築不可物件の場合、
建築確認が必要になると、

そもそも確認申請自体が通らない

ケースがあります。

理由はシンプル。

  • 接道義務を満たしていない
  • 建築基準法上の道路ではない
  • 通路部分の権利関係が複雑
  • 43条許可が必要
  • 現況と確認記録が違う

など。

つまり、

「工事したいのに、確認申請が出せない」

という状態になることも。
 

実務上かなり増えているトラブル

最近特に怖いと思うのは、

工務店・リフォーム会社側が
制度を十分理解しないまま工事を進めてしまうケース。

しかも後から、

「それ、確認申請必要でした」
「違反建築扱いになる可能性があります」

となることも…。

本来、プロとして説明責任を負うべきなのに、
最終的に困るのはエンドユーザー。

これはかなり大きな問題だと思っています。
 

再建築不可物件は“直せばいい”ではない

再建築不可物件は、
確かに価格が安い。

でも、

  • どこまで工事できるか
  • 建築確認が必要か
  • 法律上どう扱われるか
  • 将来売却できるか
  • 金融機関が融資するか

これらを理解せずに購入すると危険です。

特に最近は、
建築基準法・省エネ基準・耐震・行政指導など、
昔よりも求められるものが増えている。

だからこそ、
購入前・工事前の調査が非常に重要です。
 

最後に

再建築不可物件や古い空き家は、
普通の不動産会社では対応できないケースも少なくありません。

ですが、
工夫次第で活用できるケースもあります。

大切なのは、

「安いから買う」

ではなく、

「法律・工事・出口戦略まで理解した上で判断すること」

だと思います。