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原野商法の爪痕と、遺言執行人の苦悩 ~北海道と那須の土地から見えた日本の土地問題~
みなさん、こんにちは。
再建築不可物件コンサルタントの田中です。
先日、ある弁護士の先生から「遺言執行人として対応している案件で、土地の売却を手伝ってもらえないか」とのご相談をいただきました。
対象は北海道の土地と那須の土地。資料の厚みからも、この案件の複雑さが伝わってきました。(^_^;)
書類を読み込んでいくと、亡くなられた方はどうやら原野商法の被害に遭われていたようです。
■ 原野商法とは
1970年代~80年代にかけて全国で横行した詐欺的な不動産取引。
価値のない原野を「将来値上がりします」「別荘地として最適です」と営業され、高額で買わされてしまうケースが多数発生しました。
近年では、当時の購入者が高齢化し、相続や処分問題として再燃しています。
■ 資料から見えた“怪しさの連鎖”
- 高額な測量費を支払い、何度も測量を実施
- 通常価格の倍以上の費用で樹木の伐採
- 「800万円で購入希望」と言われ、その条件として800万円相当の整備工事を売主負担で実施しかも、その工事の請負会社が購入申込書を出した不動産会社本人
ここまで来ると、もはや不動産取引というより仕組まれた搾取。
土地を売るためではなく、整備費や測量費で儲けることが目的になっている典型的なパターンです。
■ 崩れゆく別荘地の“自治”の現実
さらに最近の資料によると、もともと存在していた別荘地管理会社はすでに解散。
現在は自治会が管理を引き継ぎ、所有者から管理費を徴収して道路や水道を維持しています。
しかし現実は厳しく、
- 所有者不明の土地が多く連絡がつかない
- 管理費を支払わない人も増加
- 維持管理の担い手が減少
このままでは、水道が止まり、道路も荒れ果て、地域全体が機能不全になる危険すらあります。
■ 遺言執行人とは? その役割と重要性
今回のようなケースで登場するのが「遺言執行人(いごんしっこうにん)」です。
遺言執行人とは、亡くなった方(被相続人)の遺言の内容を実現するために選任される人のこと。
多くは弁護士や司法書士などの専門家が務めます。
▪ 遺言執行人がいる場合
- 遺言に基づく財産の名義変更・売却・寄付などを単独で実行できる
- 相続人全員の同意が不要なため、迅速で公正な処理が可能
▪ 遺言執行人がいない場合
- 遺言書があっても、実際の登記や売却には相続人全員の合意が必要
- 連絡が取れない相続人がいると、手続きが進まない
- 結果として、土地が放置され、**“相続放棄”や“所有者不明土地”**の一因となる
つまり、遺言執行人がいることで、複雑な相続や原野商法被害土地でも法的に前へ進める可能性が生まれるのです。
■ 全国で進む「原野カオス」
この北海道や那須のような土地は、決して珍しい話ではありません。
全国で同様の原野・山林・別荘地が増え続け、「誰のものかわからない」「水道が止まる」「道路が通れない」といった不動産のカオスが広がっています。
土地を持つことがリスクとなり、売りたくても売れず、処分したくても引き取ってもらえない。
そんな時代に突入しているのかもしれません。
■ リライトの取組みとして
私たち株式会社リライトでは、このような再建築不可・山林・農地・原野商法被害地など、「普通の不動産会社が扱わない物件」にも積極的に取り組んでいます。
不動産の“出口”を見つけること、それが私たちの使命です。(^^)

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