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日本とオーストラリアの「空き家事情」から見える未来と可能性
みなさん、おはようございます。
再建築不可物件コンサルタントの田中です。
今回は、一昨日まで休暇でオーストラリアに行っていたこともあり、日本とオーストラリアの空き家についてまとめてみました。

※写真はオーストラリア旅行で撮影したグリーン島
少子高齢化が進む日本。そして、多文化国家として成長を続けるオーストラリア。まったく異なる国でありながら、どちらも今、空き家問題という共通の課題に向き合っています。
今回は、日本とオーストラリア、それぞれの「空き家の今」と「将来予測」、さらに注目すべき特徴的な活用事例について、専門的な視点からわかりやすくご紹介します。
日本:空き家900万戸を超えて、2040年には1,000万戸時代へ?
総務省の住宅・土地統計調査(2023年)によれば、日本全国の空き家戸数はついに**約900万戸(空き家率13.8%)**に到達しました。これは過去最多の水準であり、今後さらに加速する可能性があるとされています。
特に注目すべきは、住む目的も貸す予定もない“その他の空き家”の増加です。その数は**約386万戸(空き家率5.9%)**にのぼり、まさに“放置された住宅”が社会問題となりつつあります。
このまま推移すれば、野村総合研究所の推計では2043年には空き家率が25%、空き家数も1,000万戸を超える可能性も。これを食い止めるため、国は管理・除却・再利用を含めた多角的な空き家対策に乗り出しています。
オーストラリア:見えにくい空き家と税制によるアプローチ
一方、オーストラリアでも住宅不足の影で**「空き家問題」**が取り上げられています。2021年の国勢調査によると、全住宅約1,080万戸のうち、約96万戸(9.6%)が空き家とされました。
ただし、これは「国勢調査当日の不在住宅」も含まれるため、実際の長期空き家率は1~1.5%程度と見られています。とはいえ、メルボルンなどの都市部では、投資目的で購入された「使われない住宅」が問題視されており、空き家率は5%超とも言われています。
オーストラリアでは、これに対応する形で**空き家税(Vacant Residential Land Tax)**の導入が進んでいます。一定期間以上使われていない住宅に対し、毎年1~2%の追加課税を課す仕組みで、住宅の供給促進と土地バンキングの抑制を狙っています。
注目すべき「空き家活用事例」
日本の事例
日本では、空き家を地域の資源と捉える動きが広がりつつあります。たとえば…
- 地方移住者向けリノベ住宅として再生
古民家をリノベーションして販売・貸し出す動きが全国に広がり、若い世代の移住促進にもつながっています。 - 空き家バンク×自治体マッチング
市町村が独自に空き家を登録・公開し、移住希望者とマッチングする仕組み。自治体によっては改修費補助や家賃助成なども行っています。 - 子ども食堂や地域交流拠点として再活用
弊社でも取り組んでいるように、地域福祉や交流の場として空き家を活用する事例も増加。物件の再生と社会貢献が両立する好例です。
オーストラリアの事例
- 空き家税制度の活用
メルボルンを中心に、使われていない住宅に税金を課すことで、売却や賃貸への転用を促進。税制度が空き家政策の要となっています。 - スクワッター支援と公共住宅化
ビクトリア州などでは、空き家を一時的な避難所や福祉住宅として活用する取り組みも進行中。ホームレス対策と空き家解消の両立を図っています。 - 空き家→シェアハウス型住宅への転換
都市部では、空き家を複数人で利用するシェアハウス形式に転用し、留学生や若年層の住まい不足に対応する流れも。
空き家問題は「社会課題」から「未来資源」へ
空き家は、放置すれば治安や景観、資産価値に悪影響を及ぼします。しかし、活用の視点を持てば、地域を活性化させ、新たな価値を生む資源にもなり得ます。
今、日本とオーストラリアの両国が共通して見つめているのは、「空き家の再生」ではなく、「空き家から始まる地域の再生」です。
政策、民間、そして地域住民。この三者が連携して、空き家を次のステージへ導く時代が、いま確実に始まっています。
皆さまの身近な空き家や空き地も、“ただの不動産”ではなく“未来を変える拠点”になるかもしれません。
空き家活用のご相談は、全国対応の弊社【株式会社リライト】までお気軽にどうぞ。
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