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実は恐ろしい保安林の呪い

 みなさん、おはようございます。
再建築不可物件コンサルタントの田中です。

 今回は、保安林について。

保安林 売却
 保安林とは、一般的に広大な山林の税優遇(相続税・不動産取得税・固定資産税など)を受けたりするために土地の所有者が都道府県に申請して指定されます。
ただ、今、進行中の保安林の活用の案件で恐ろしいことがわかりました。

 それは、保安林は一度指定するとよっぽどのことがないと解除できないこと。
 よっぽどのこととは例えば、「高速道路が通る」や「リニアモーターカーが通る」など。
土地収用法に規定するものなどが該当することが多いようです。

 この保安林、聞いているだけだと固定資産税も減免され良いように着込めますが、実は恐ろしい…。
ここ最近では、ゲリラ豪雨や突風などで大きな木が倒れ、周辺住民に損害を与えてしまっていることが多々あります。
そのため、保安林所有者の方は倒木しような大きな木や道路にかかってしまっている枝などを払うために費用を拠出しなければなりません。
ちなみに私が担当しているお客様は昨年倒木リスクのある大きな木の枝払いなどで300万円以上も拠出されました。
お客様は、「これがいつまで続くのか‥」と。

 一方、横浜市のほうで寄付を受けるかと言うと「保安林の寄付は受けていない」とのこと。
保安林にしなければ一定要件のもと寄付ができそうだったのに…。
保安林にしてしまったがために、保安林の解除もできず、常に倒木リスクに怯える日々が続いてします。
なお、横浜市では緑化制度により一部、枝打ちなどの費用を助成するという仕組みもありますが、300万円かかった場合は、175万円は実費で負担しなければならないことや3年に1度しかその制度を使えないことを考えると制度自体が破綻していると言わざるを得ない。
(補助金・助成金によっては保安林の種類・市町村によっても異なります)

 そのため、重要なことは「本当に保安林に指定するかどうか」。
前述の通り、保安林は一度指定すると解除が原則できない。
不動産を持ち続けるということはその分リスクも持ち続けるということなんですね。