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田舎の実家がなかなか売れない理由とは? ~多筆土地・空き家・山林の落とし穴~


 みなさん、おはようございます。



再建築不可物件コンサルタントの田中です。



 



 今回は、田舎の不動産売却について。



 「実家を相続したけど、全然売れない」「不動産会社に相談したら断られてしまった」、そんな声を近年ますますよく耳にするようになりました。





 都市部と違い、地方の不動産売却には独自のハードルがあります。



今回は、実際にご相談いただく中でよくある「田舎の実家が売りづらい理由」について、不動産実務の視点から解説します。



 



■1.空き家だけじゃない?筆数の多さが障害になる



 地方にある実家の場合、「母屋」だけでなく、周囲に山林・畑・原野・墓地など、さまざまな種類の土地が付属していることが少なくありません。





不動産の世界では、登記上の「一筆(いっぴつ・ひとふで)」ごとに管理や調査が必要になります。



たとえば…






  • 実家の宅地 1筆

  • 接している畑 2筆

  • 近隣の山林 3筆

  • 道路代用の雑種地 1筆

    → 合計7筆





となると、図面や地積測量図の取得、現地確認、権利関係の調査、隣地との境界確認など、不動産会社の業務は一気に膨大になります。





■2.業務は増えるのに報酬は変わらない問題



 実は不動産会社の仲介手数料(報酬)は、基本的に**「売却価格×3%+6万円+税」**と法律で上限が決まっています。

※低廉な空き家等の売買の場合等の時には33万円まで受領可





つまり、土地が1筆でも10筆でも、売却価格が同じであれば不動産会社が得られる報酬は同じなのです。





そのため、業務量ばかりが増える多筆物件については、






  • 「これは扱えません」

  • 「売れませんね…」

  • 「別の会社に相談してください」





と言われてしまうこともあります。(T . T)





■3.売却活動が進まない“もうひとつの理由”



 地方物件の場合、もう一つの障害が「ニーズの少なさ」。

都市部であれば「建て替え用地」や「投資物件」として需要がありますが、



田舎の物件はそもそも需要そのものが限定的です。





さらに、筆数が多いことで「一部だけを欲しい」という買主がいても、全体の名義や用途や通行等様々な理由で分筆・売却が難しいケースも…。



つまり、「売却しやすい形」に整えるにも専門的なノウハウが必要になるのです。





■4.まとめ:対応してくれる会社を見つけることが第一歩



 繰り返しになりますが、田舎の不動産は業務量の割に報酬が低く、不動産会社に敬遠されがち。



しかし、「対応できる会社=多筆物件を扱い慣れた会社」は確かに存在します。





✔ 不動産の全筆を一度調査してくれる



✔ 相続登記・境界確認なども一緒に対応してくれる



✔ 売却以外の活用方法(寄付・等価交換・一括買取など)を提案してくれる





そうした会社であれば、「売れない」から「売れる可能性がある」へと道を開くことができます。(^^)





■不動産の“困った”は、まず相談から



 もしもみなさんのご実家が、「筆数が多すぎる」「畑や山林が含まれている」「放置していたら草木が生い茂ってしまった」…そんなお悩みを抱えていたら、まずは現地の状況を把握することから始めましょう。(^^)





わたしたちは、そうした「ひと筋縄ではいかない不動産」にこそ、しっかりと向き合っていきます。(^^)



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